2016 06 23
スタッフブログ
WOWOWで放送されるテニス番組を担当しています、制作部木南です。
『お知らせ』にWOWOWウィンブルドンテニス中継の見所を掲載しましたが、
ここからは書ききれなかった私個人の注目点です
私が今回注目している点は、
「コート上での戦いに加え、コートサイドで元世界王者が激突する!!」です。
現在のテニス界はかつてのグランドスラムチャンピオンが
トッププレーヤーのコーチを務める時代。
去年と一昨年のウィンブルドン決勝では
「ノバク・ジョコビッチ&ボリス・ベッカー」vs「ロジャー・フェデラー&ステファン・エドバーグ」
という図式となり、コート上では究極の攻防戦が、
コートサイドでは過去3年連続ウィンブルドン決勝を争ったライバル、
ベッカーとエドバーグが対峙する・・・そんな極上の戦いが行われました。
そして今シーズンも、選手とコーチの組み合わせは何とも魅力的です。
「錦織圭&マイケル・チャン」、「マリン・チリッチ&ゴラン・イバニセビッチ」、
「リシャール・ガスケ&セルジ・ブルゲラ」、「ダビド・ゴファン&トーマス・ヨハンソン」などなど、
元グランドスラム王者とタッグを組む選手が、最高峰のタイトルを狙って虎視眈々。
その中でも現在、ホットな話題となっているのは、
BIG4の一角、イギリスのアンディ・マレーと、カナダのビッグサーバー、ミロシュ・ラオニッチです。
振り返れば2012年、イワン・レンドルをコーチに迎えたマレーはロンドン五輪で金メダル、
直後の全米オープンでは決勝でジョコビッチを下しグランドスラム初優勝。
翌2013年のウィンブルドンでも決勝でジョコビッチを下し、
イギリス人男子77年ぶりの優勝を飾りました。
その後コンビを解消していましたが、ここ数年のグランドスラムで
マレーはジョコビッチに対し5連敗・・・
打倒ジョコビッチには、やはりレンドルの力が必要!と考えての再結成だったのでしょう、
レンドルと再びタッグを組んだことで、3年ぶりの栄冠を狙うマレーには
並々ならぬ決意が感じられます。
そしてラオニッチは、華麗なサーブ&ボレーで黄金時代を築いたジョン・マッケンローを
芝のシーズン限定でコーチに迎えました。(ラオニッチは契約延長を希望しているそうですが…)
マッケンローは今でもエキシビションに出場し、コメンテーターとしても大人気、
加えてニューヨークでは自身のテニスアカデミーを経営しており、
トップの選手を指導するのは不可能では?と思っていましたし、
ラオニッチは今シーズン、すでに元全仏王者のカルロス・モヤをコーチに迎えて戦っていました。
それなのに、、、ここにきてスーパースターのマッケンローをコーチに迎えるなんて、
一体、ラオニッチは今シーズン、コーチへのギャラを幾ら払うつもりなのか???
なんて下世話な疑問も浮かんでしまいます。
それはさておき、こんな想像も膨らんでくるのです。
もしラオニッチがマレーと戦うとなったら、陣営にはマッケンローとレンドルがいる、、、
コート上では、200kmを超えるビッグサーブ対強力リターンというスリリングな対決が演じられ、
コートサイドでは80年代に数々の名勝負を演じた二人が火花を散らす!
試合中のコーチングは違反ですので声をかけるわけにはいきませんが、
選手とコーチは以心伝心、勝負どころがくれば目を合わせ、
チャンピオンとしてのメンタルと勝負魂を伝授された彼らは、
ここぞ!という場面で最高のプレーをぶつけ合うはず。
その刹那、テレビ画面にはそれぞれどんな表情が映しだされるのか…
これぞ一粒で二度美味しい、テニスファン垂涎のドラマです!
現在のテニス界は、技術・体力・スピード、どれをとっても過去最高レベルと言えますが、
己の限界をかけて戦う選手同士の対決はもちろん、
選手をサポートする陣営の戦いにも注目すると、より面白さが広がると思います。