2016 06 07
スタッフブログ
初めまして。新入社員の佐藤圭太です。
東京フイルム・メートでは入社後から各部署3週間ずつの新人研修を行うことになっています。
今回のブログでは、制作部の研修について振り返りたいと思います。
制作部研修初日、青山にある本社のMA室にて『全仏OPテニス2016』の
web用見所VTRのナレーション録りに立ち会いました。
このナレーション録りの前準備として、編集されたVTRを見ながら
ストップウォッチ片手に秒単位のナレーション原稿を組み立てていく作業を行います。
この原稿を作成するには、自分の頭の中で、考えをまとめ、映像を作り上げておかなければなりません。
その原稿をアナウンサーに渡し、ブースに入ったアナウンサーとやり取りしながら、
イントネーションやタイミングを調整し、ナレーション録りを行います。
3分の短いVTRの中には、ナレーションを含め、視聴者にインパクトを与えられる要素を織り込まなければなりません。
そのために、制作側は視聴者に負けないテニスへの想いと知識が必要であることを強く感じました。
分からないことばかりで不安もありましたが、私が昔から憧れていたテレビの仕事を間近で経験することができ、
ワクワクする想いで始まった制作部の研修でした。
制作部は、こうした青山本社での仕事だけでなく、
『プロ野球ニュース』、『千葉ロッテマリーンズ、ホームゲーム中継』、『バスケットボール中継』、『F1中継』など、
様々な番組の制作現場(スタジオ、副調整室、野球場など)で仕事をします。
ちなみに、下の画像はF1の収録を行ったフジテレビ内のVCスタジオです。
この VCスタジオには、固定式のカメラが3台あり、
副調整室にいるスイッチャーによってカメラを操作できる為、カメラマンがいません。
FD(フロアディレクター)が副調整室のPD(プログラムディレクター)とインカムでやり取りをしながら、
アナウンサーや解説者にカンペ出しをするなど現場を指揮し、番組を作り上げていきます。
実況中継後、スタジオにカメラが切り替わるまでの間に、
出演者周辺のPCやモニターが映らないようセッティングし直す作業は、
短時間で音を立てずに行わなければならないので、大変気を遣いました(^_^;)。
制作部の仕事は、番組終了までのスケジュール表を作成し、その予定に合わせて動きます。
先輩が作成した台本と資料をスタッフと出演者の人数分コピーし、会議室に準備しました。
スタッフ・出演者の方との打ち合わせやリハーサルまでの時間が迫っている為、
無駄なく効率良く動かなければなりません。
出演者の楽屋を準備するのも制作部の仕事です。
出演者が楽屋入りする前に、楽屋の鍵を開け、台本及び選手に関する資料、お弁当、飲み物をセッティングしました。
お弁当は何種類か発注します。スタッフの方々のモチベーションにもつながる為、大切な仕事の一つです。
ちなみに『F1中継』で準備をしたお弁当は、
「オーベルジーヌ」さん(=写真左)と「崎陽軒」さん(=写真右)でした。
なんと、研修を兼ねて実際に食べることもできました。
さすが有名なロケ弁だけあって、どちらもボリュームもあり、大変美味しかったです(●^-^●)。
制作の仕事はこれだけではありません。
例えば、
・新聞を読み、事前に情報収集
・番組台本の作成
・収録スケジュールの調整
・番組で使用するテロップの発注
・編集、MAに立ち会う
・制作、技術スタッフや出演者との打ち合わせ
・FD(フロアディレクター)としてスタジオや現場などでの指揮
・PD(プログラムディレクター)として副調整室(サブ)で全スタッフの中心となって番組制作の指揮
など、多岐にわたります。
また、『プロ野球ニュース』の研修では情報収集の為、新聞に載っている野球に関する記事をスクラップするよう指示を受けました。
試合結果はもちろんの事、順位表、両リーグ打率、防御率、選手についての小さな記事まで
見落とすことなく、スクラップしなければなりません。
それは、OAで使用するスーパーを正確なものにするための重要な資料として必要不可欠なものであり、
選手のあらゆる情報を頭に入れておくことが構成を組み立てる上で大変役に立つものだからです。
スクラップ作業は地道でアナログな作業ですが、番組のための資料という性質だけでなく、
繰り返し目や手を使って新聞から得られる旬な情報をくまなく拾うことで自然と野球に関する知識が幅広くなってきた気がします。
プロ野球についてもっと詳しく知りたいと思っている方は、一度やってみてはいかがでしょうか。
そんな制作部での数々の研修の中でも最も印象に残っているのは、
10年間続いた『bjリーグTV』の最終回にサブで立ち会うことが出来たことです。
サブでは、タイムキーパー、スイッチャー、音声、音効、VE(ビデオエンジニア)の方々と
PDの先輩との素晴らしい連携プレーを目の当たりにしました。ちょっとした認識のズレが、最悪、放送事故に繋がることもあるので
こういった場所ではコミュニケーションがいかに重要であるかを肌で感じることができました。
先輩方が長い間続けてきた番組が終わってしまうという寂しい気持ちと、
この番組を作り上げてきたという強い自負を持ちながらも
常に冷静に状況判断し番組制作をしている背中を見て胸が熱くなりました。
3週間の制作部の研修を経て、毎日当たり前のように見ていたスポーツ番組ですが、
制作現場では想像していたより大勢のスタッフが汗を流し個々の仕事を全うした上で連携を取り、
一つの番組を制作していることを知り、信頼関係が大切であることを学びました。
スポーツの魅力を最大限に引き出し、多くの視聴者を感動させられる番組を作るという作業は大変やりがいもあり、
早くこのチームの一員になるべく努力しなければならないと痛感した研修でした。
研修もいよいよ最終タームに入りました。現在は制作部を離れて編集部で研修中です。
配属先は未定ですが、どこの部署でも研修から得た経験を活かして頑張りたいと思います。